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たった10日間のルームメイト 完結編
雨降ったから、そんなに夜冷え込んでないかな。
今朝はちょっと寒かったけど、日中は半袖でも大丈夫でした。
でも明日最低気温が10度。一桁になるの時間の問題ですね。

ちょっとここで、非公開コメに軽くお返事(反転でね)


イニシャルKの方。
私もブログ作ってから、交流する書き手さんにママさんや主婦の方多いことに気付きました。
日常以外にこんな場があると、毎日楽しいですよ!文章は、とにかく書けばそのうち形になります。
皆さんそれぞれの個性あるから、書いてみては?
娘と読んだ本について語るのは、とっても楽しいです。彼女は今流行ってるモノよりも、私の蔵書を漁るのが好き。のだめと動物のお医者さん、川原泉も教えました。ある意味英才教育(苦笑)
図書館シリーズは、一緒に語る友人を探してるらしいです。(図書室にあるので)
今、見せられない本の隠し場所に頭が痛いです。エロはないけど、「完全マルマルマニュアル」なんてオカルト系の棚に隠してますから。
なのでKさんも、先が楽しみですね!いまは育児きつい時ですが、気楽に乗り切って、自分の楽しみを見つけられますように。




さーて、広瀬のお話。
終わったー。あっさりだけど。
もうね、気になるところは後で直す!

もっと違う事盛り込みたかったけど、事件後1週間だからこの程度にしておく。

ではどうぞー。






完結編



「ああ……。」去年のあれか。
チロルチョコの事は当時、いろんな奴に探りを入れられた。そのたびに「え?バレンタインだったっけ?」と誤魔化してきた。
正直に言えばあれは、あげたかったからああしたんだし、向こうも欲しかったから受け取ったんだと思う。ただ、それがいつでも言い訳できるようにと常にディフェンスしながらの行為だったという事だ。

「あんたがどういうつもりで、人前であんな事したかは知らないけどね。寮中の噂になるくらいのインパクトはあったわね。」
広瀬の得意げな解説に、頬杖をついて気のない素振りを繕った。
「あれで女子は一斉に手塚から降りたって感じ。やっぱりねって。男子の方は知らないけど。」
「ふーん。」
「で、ずっとウォッチングしてたのよ。何時くっつくのかなーって。あー長かった。」
「あんた結構茶々入れてたじゃない。」
「ああ、あの馬鹿息子の時ね。あれはあんたの為じゃないわ。手塚を助けてあげたの。こちらからお願いしたら、堂々とあんたを守れるじゃない。」
「……。」
「でも何もなかったみたいでガッカリ。」
「人で遊ぶな。」
「いいじゃない結局纏まったんだし。しかもあんなに愛されて。凄いわよね手塚。上官を超えたわ。」
その話が今日の目的か。酒が抜けていく音が聞こえるようだ。


「でも、あんなになりふり構わずフォローに走るのって、端で見ていて相当羨ましいわよ。
なにせあたしにまで、頭下げてきたんだから。『柴崎は強がるから心配だ、よろしく頼む』だって。」

それは初耳だが、確かにここ1週間の手塚は、私中心に動いている。
玄田の命令もあるが、警察の事情聴取には必ず同行するし。
笠原は気を利かせているつもりか、ノータッチになった。なので基地の車で堂々と警察に向かう事は、業務部の女子に知れ渡っている。
からかわれはしないものの、ちょっと気が咎めて「電車で行こう。」と言ったら、ものすごい勢いで怒られた。
心療内科も、必要ないと言ったら「こういうことは本人が一番分からないんだ。いいから来い。」と強引に連れて行かれ、カウンセリングを受けた。というか、受けさせられた。
「まだごく軽症。念のため気持ちが苦しくなったときの薬出しますね。」と、言われて診察室を出たら、ご丁寧にペンダント形のピルケースまで買ってきていたし。
もらった薬が一錠だけ入るそれは、常に柴崎の胸元に揺れている。
「用意が良いわね。さすがだわ。」と軽口を叩くと、
「こういうことは慣れてるからな。」と、ボソリと呟いていた。
寮に入る前は、ずっと母の看病してたんだ、と。
後でそのクリニックの評判を調べたら、良過ぎるあまりに患者が殺到し、初診の予約を3ヶ月待たなければならないところだった。どういったコネかは聞いていないが、力技を使ったらしい。
その他にも、暗くなったときは一人歩きしないで済むよう、自分が都合つかなければ、柴崎に言わず、広瀬や業務部の女子に声を掛ける。
きっと検察庁や裁判所にも、ついて来る積もりだろう。
至れり尽くせり、常に先回りして全力で守ろうとしている。
全く、いい男だわ。

「なによ嬉しそうな顔して。」
「別に。」
「いいわよ幸せに浸ってても。…で、今度はあたしの相談なんだけどさ。」
来た、真の目的。
「なあに。」
「もうあたしも30前でしょ?そろそろゴールインしたいんだけど、相手が煮え切らないって言うか…。」
それか。
「ねえ、協力してくれない?」
たぶんこいつ、シナリオは練ってあるな。ちょっと興味も湧いてきた。
「んーどうしようかな?」
「ランチおごる!」
「デザートバイキングもつけて?」
「え~~~っ!……分かった。」
ディナーは手塚が承知しないだろうから、この辺で勘弁しておくか。
「OK、じゃ、話聞くわ。」


笠原とは程遠いけど、広瀬もちょっとはいい奴かも。
上書きしてくれてありがとう。という感謝は、この喰えない同室者には言わないでおこう。
広瀬の策略を聞きながら、柴崎は思い、微笑んだ。



fin.





んー結局広瀬は広瀬。作り天然の策略家。
でも、柴崎と協力関係を結んだら、このペア業務部で最強かも。
あ、柴崎はひとりでも最強か。

たぶんこの年のバレンタインも、分かりにくいプレゼントあげてるね柴崎は。
自販で買い間違えたフリして、ホットココア押し付けるとか。
手塚も文句言いながらもらっちゃう。そんな関係もまたよし。


心療内科は評判いいところって激混みですねーこちらでも1ヶ月待ち当たり前。
もしものときのお薬は「ソラナックス」お守り代わりにしてる患者さん多いです。
まぁ、柴崎はすぐ復活するね、手塚の愛の力で。


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手柴SS | 00:45:40 | コメント(2)
コメント
拝読しましたv
お久しぶりの書き込みですいません。
あだちです。
拝読しました~。
ああ広瀬が好きになってしまったですよ。utenaさんの筆のおかげで。
この女同士の距離感と言うか、探り合いというのも見ものですねえ。
大人って感じで素敵でした。
これからも寄らせて頂きますね~
2008-11-29 土 16:48:27 | URL | 薫 [編集]
安達さんこんにちはーそしてこんなSSに感想感謝です!
広瀬は別冊Ⅱでちょっと見直したんですよねー。実はいい奴かもって。
そこのところが出てたら嬉しいです。
でも私は安達さんの連載が佳境で気になって仕方ないですが♪
2008-12-01 月 23:27:50 | URL | utena [編集]
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